「サウナの正しい入り方」といった言葉をメディアなどで見かけることも増えました。サウナの入り方やポイントについては、海外でもいろいろな記事や解説があります。今回はその中で、ビジュアルで説明をしているものを紹介してみたいと思います。
海外のサウナの入り方解説
まずは「200の法則~女性サウナ室~」でも取り上げたHELOのマニュアルの「Section11: How to Take a Sauna」というページにあるサウナの入り方の図です。
(画像出典:Installation & Operation Instructions)
訳:
・シャワー
・サウナ(10~15分)
・休憩(10~15分)
・ジュースか水で休憩
・気に入った?繰り返して最高の気分を味わいましょう。
同じページの文字の解説を見ると、"After 10 minutes or when perspiring freely, leave sauna and relax in the dressing area, followed with a warm shower."*1(10分ほど、あるいは十分に発汗したらサウナ室を出て脱衣所で休憩し、温かいシャワーを浴びます)とあるので、休憩のイラストのシャワーは冷水ではなく温水が想定されているようです。
"Enter sauna room again when ready and stay 5 or 10 minutes."*2(準備ができたら再びサウナ室に入り、5分~10分いましょう)、"Repeat the cycle 2 or 3 times; end with a warm shower and rinse in cool water."*3(このサイクルを2~3回繰り返します。温かいシャワーで締めて、冷たい水ですすいで終了です。)とも書かれています。
次に、HotTubAdviceというサイトの画像です。フィンランド式のサウナの入り方のイラストです。
(画像出典:HotTubAdvice)
訳:
・サウナ室に行く前にシャワーを浴びましょう
・最初は真ん中のベンチに座りましょう。普通に呼吸をすることを忘れずに。
・サウナストーンに水がかかった後に蒸気がたちのぼるので、そのつもりでいましょう。
・身体の声を聞きましょう。十分に発汗し、クールダウンが必要になったら身体が教えてくれるはずです。
・サウナ室を出てクールダウンしましょう。外に出てもよし、シャワーを浴びてもよし、湖に飛び込むもよし!
・凍った中を泳ぐ場合は一人では行かずに、深く呼吸をしましょう。
・必ず帽子をかぶりましょう。経験者以外は、長くはいないこと。
・寒くなってくるまで外にいましょう。寒くなってきたら再びサウナに戻る時です。
・これを好きなだけ繰り返しましょう。水分補給をしっかりと、最後はシャワーを浴びて終わりましょう。
私たちがイメージするフィンランドのサウナの入り方という感じです。何分、という時間ではなく、サウナ室を出るタイミングは自分の体感で、ということになっています。外にいる時にも帽子をかぶることが推奨されているのですね。
続いて、Siim Landが書いた「Benefits of Sauna and Autophagy Combined」(オートファジー*4とサウナを組み合わせる効果)というページにあるサウナの入り方です。 手順は文章で書かれており、このイラストは最適な温度や頻度などについてまとめられています。
(画像出典:Benefits of Sauna and Autophagy Combined - Siim Land)
訳:
#1 水分補給
#2 最適な温度は70~100℃・160~212℉
#3 最適な時間は15~30分を2~3セット
#4 最適な頻度は週に2~4回・最低週に1回
#5 おまけ:冷たいものと組み合わせよう
サイトの文章を見てみると、入り方として"What I like to do is sit in the sauna for 10-15 minutes, then jump into an ice bath or take a cold shower for 1-2 minutes, go back into the sauna for another 10 minutes and repeat it for several rounds."*5(私が良いと思うのは、10~15分サウナ室で座った後、アイスバスに飛び込むか、冷たいシャワーを1~2分浴びて、またサウナ室に戻り10分ほどいて、それを数セット繰り返すやり方です)とあり、5つ目のポイントは具体的にはアイスバスや冷たいシャワーが想定されていることがわかります。ただし、" Just make sure you don’t over-do it and start off where you’re comfortable at."*6(やりすぎないように気をつけて、快適だと思えるところからはじめましょう)という注意も書いてありました。
このページの著者のSiim Landはエストニア出身で人類学の学位を持っていて、本の執筆や講演などの活動をしているようです。エストニアのサウナにはアイスバスがあるのでしょうか。
次に、TheBestSaunas.comの記事、「What About Sauna Etiquette? Gyms, Hotels, Health Clubs & Home Saunas」(サウナのエチケットって?ジム、ホテル、ヘルスクラブ、家のサウナについて)に載っているサウナの入り方です。
(画像出典: "What About Sauna Etiquette? Gyms, Hotels, Health Clubs & Home Saunas" )
訳:サウナのエチケット、マスターするための9つのヒントとコツ
1 何を着ればいい?
タオルを巻くか、裸でOK!
2 他の人が不快な思いをしないようにしましょう。
みんなリラックスするために来ています。なので、楽しみましょう!
3 衛生的・清潔であるようにしましょう。
サウナ室に入る前にはシャワーを浴びて、サウナ室では清潔を保つためにタオルを敷いて座りましょう!
4 物音のレベルは低く。
おしゃべりは最小限に、小さい声で。
5 ドアを閉めるのを忘れずに。
サウナ室に熱と蒸気がこもるように、ドアは常に閉めておきましょう。
6 リラックスして、動かないように。
あまり歩き回らないように、じっとしてリラックスすることが最重要!
7 必ずタオルを忘れずに。
貸しタオルがなければ自分のタオルを持参しましょう。次に使う人のために清潔な状態を保てますよ。
8 何かを変える時には必ず一言聞きましょう。
あらゆるセッティングについて、変更する時にはサウナ室に一緒に入っている人に聞いてからにしましょう。
9 他の人と譲り合って使いましょう。
サウナ室を使いたくて待っている人がいたら、他の人もサウナ室を使えるように出るなど譲り合いましょう。
こちらはポーランド語のサイトの「ETAPY KĄPIELI I ZASADY KORZYSTANIA Z SAUNY」(サウナを使用するための入浴手順とルール)という記事の中のイラストです。
(画像出典:"ETAPY KĄPIELI I ZASADY KORZYSTANIA Z SAUNY")
訳:サウナの使用方法
文字の解説では、文字での解説ではまず"Chcąc w pełni wykorzystać dobroczynne działanie sauny, musimy przede wszystkim zarezerwować sobie odpowiednia ilość czasu, najlepiej około dwóch godzin. "*7(サウナの効果を最大限引き出すには、適切な時間、できれば約2時間を確保する必要があります)と書かれています。また、"Pierwsza kąpiel niech trwa 8-12, a na pewno nie dłużej niż 15 minut."*8(最初は8~12分で、必ず15分以内にしましょう)とあり、サウナ後は"Następnie weźmy krótki, zimny prysznic, schładzając ciało zawsze w kierunku serca."*9(それから冷たいシャワーで、心臓から遠いところから冷やしていきます)とされています。クールダウンの方法については、健康な人には"w zimnej wodzie (jezioro, basen, balia etc.)"*10(冷水(湖・プール・浴槽など)に入ることも推奨されています。気になるのは、"Aby odprowadzić pozostałe jeszcze ciepło w organizmie oraz poczuć przyjemne ciepło zanurzmy stopy w ciepłej kąpieli na 3 do 5 minut. Ta czynność powinna zawsze stanowić ostatni element przed kolejnym wejściem do sauny."*11(身体に残った熱を取り除いて、心地よい温かさを感じるために、3~5分温かいお湯に足を浸しましょう。これは次にサウナ室に入る前の最後の要素である必要があります)という記述です。サウナ、水の後に足湯のような工程が推奨されています。
これは、ドイツ語のサイト 「Aqua Badshop-Beiträge über die Vielfältigkeit des Wassers-」(アクアバッドショップ-水の多様性についての貢献)に載っていた画像のようですが、掲載されていたページは残念ながら現在は見ることができません。
先ほどのポーランド語のサイトでも、サウナの効果を最大限引き出すには2時間くらい必要だと書かれていました。こちらの絵の1番の「2時間」も、サウナ浴に必要な時間でしょうか。また、4番と15番では足湯をしているようです。ポーランド語のサイトでも、身体に残った熱を取り除くために、足湯をすると書かれていました。こちらの絵では細かく時間や温度が書かれているのも興味深いです。19番は何を浴びているのか、気になります。
こちらはドイツ語のサイトの「Wie oft soll man die Sauna benutzen?」(サウナの使用頻度は?)という記事に掲載されている「Saunaregeln」(サウナのルール)の絵です。
これも、最初に「2時間」という時間が書かれています。文章を見ても"Eineinhalb bis zwei Stunden sollte man sich schon Zeit nehmen für den geamten Saunabesuch, je nachdem, ob man auch mal eine Massage dazwischen bucht."*12(1時間半~2時間は、サウナに時間をかけるべきですが、マッサージを予約するかどうかにもよります)とあります。足湯についても書かれており"Anzuraten sind sie warm, nach dem reinigenden Duschen und vor dem ersten Saunagang. "*13(シャワーで身体を洗った後、最初にサウナに入る前に足湯をした方がよいでしょう)とされています。足が冷えていると発汗しにくいためだそうです。左下にUVを人工的に浴びているような絵がありますが、先ほどのドイツ語のイラスト19番も同じような工程かもしれません。
3か国語で説明が書いてあるものもあります。これは、Saunahaus,COMというサイトで販売されているパネルです。英語、ドイツ語、フランス語が書かれています。
サウナの入り方いろいろ
ここまで、海外のサウナの入り方について、イラストを中心に見てきました。いろいろなパターンがありますが、サウナ・水風呂・外気浴よりも工程が多いものも沢山ありました。UVを浴びる、足湯をするなど、日本のサウナの入り方では言及されないような要素もありました。
また、サウナに入る時間は2時間くらいとしているものが多く、サウナ浴はゆっくり時間をかけて行うもの、というところも多いことがわかります。サウナ室で汗をかき、身体を温めて、クールダウンし休憩をする、という基本的な流れは共通していると言えそうです。クールダウンの方法はいろいろで、日本のように基本的に水風呂が想定されているわけではありませんが、アイスバスについて言及されているものもありました。ただし、アイスバスや冷たいプールに入るのは「健康な人」「慣れている人」というような限定的な推奨の仕方で、サウナ室を出ていきなり冷たいところに入ることの危険性について触れているものも多かったです。水風呂が基本的なステップに入ってくるのはやはり日本のサウナ浴の特徴と言えるかもしれません。
休憩の時間はどこでも大事にしているようで、やはりサウナはリラックスしに行くところなのだなという印象です。
今回は海外のサウナの入り方について、イラストを中心にまとめてみました。他にもサウナについて図示している海外のものがいろいろあるので、また紹介したいと思います。
参考資料
HELO, "Installation & Operation Instructions"
PAGEWIZZ, "Wie oft soll man die Sauna benutzen?"
pomysłnadom, "ETAPY KĄPIELI I ZASADY KORZYSTANIA Z SAUNY"
Siim Land, "Benefits of Sauna and Autophagy Combined"
TheBestSaunas.com, "What About Sauna Etiquette? Gyms, Hotels, Health Clubs & Home Saunas"