外出の自粛が続き、サウナに行けない期間が長くなってきて、家にサウナがあったらな、と思っている人は結構いるのではないでしょうか。実際に家庭用のサウナにはどんなものがあるのでしょうか。いつ頃から日本で家庭用サウナは売られているのでしょうか。今回は、家庭用サウナについて考えてみます。
家庭用サウナの歴史
家庭用サウナについての言及は、1970年代の新聞記事に既に見られます。例えば、1974年の読売新聞「サウナの安全性 不十分な温度管理 長時間使用は危険な家庭用小型」という記事には次のように書かれています。
ダラダラと汗を流したあとのさわやかさが何ともいえないというサウナブロが全国で大はやり。愛好者がふえるとともに、最近は家庭用サウナまで普及し始めてきたが、その安全性はどうだろうか*1。
この記事では、火災の防止のために、家庭用サウナには業務用サウナとは別に基準が設けられたことも書かれています。基準は次の通りです。
・中の温度は摂氏90℃まで
・室の外側の表面温度も摂氏60℃を超えてはならない
・置く場所も小規模サウナ室自身も床、壁、天井は不燃材
・置くときは壁から10cm以上、天井から20cm離す
・2つ並べる時は感覚を30cm以上はなす
家庭用サウナを2つ並べて使う人もいたのでしょうか。気になります。1970年代の家庭用サウナの一つの例として、このようなイラストがありました。先ほどの記事で基準が定められている家庭用サウナは、こうしたボックスを設置するタイプのものを想定していると考えられます。
(画像出典:サニーペットCM)
また、1978年の朝日新聞には、折り畳み式の家庭用サウナが取り上げられています。「『茶の間でサウナ』がモテモテですって」という見出しで、「このところ折りたたみ式の家庭用サウナの売れ行きが急上昇しているという」*2と取り上げられています。「従来の家庭用サウナ、どんなに安くても40万いじょうはするというのに、折りたたみ式は機能が同じでお値段はなんと7万五千円弱というのだから、売れるはず…。」*3と人気の秘密に言及されています。
(画像出典:朝日新聞「『茶の間でサウナ』がモテモテですって」、1978年6月13日、朝刊、広告)
機能は同じ、と言いますが、この折りたたみ式はちょっとサウナ好きが期待する家庭用サウナとは違うかもしれません。家庭用サウナにもいろいろなものがあったことがわかります。
家庭用サウナのコマーシャル
家庭用サウナにどんなタイプのものがあったのか、CMも探してみました。古いものとして、1970年代のサニーペットサウナのCMがありました。こちらの動画の冒頭に出てきます。
こちらはもう少し時代が下るようですが、神戸メディケアの家庭用サウナのCMです。2種類あります。
リビングのど真ん中にサウナ、迫力があります。
こちらは家庭用の低温サウナのプロモーションビデオです。
低温サウナですが、こういうタイプもあるのですね。家庭用ということで、コマーシャルやプロモーションビデオも調べるとちらほら見かけます。
家庭用サウナいろいろ
実際に家庭用サウナを買いたい!と思った時、どのくらいの価格でどのようなものが購入できるのでしょうか。設置は大変なのでしょうか。いくつか見てみました。
・神戸メディケア 高温ドライサウナ
【お値段】
販売価格: 847,000円 (税込)
希望小売価格: 1,210,000円 ※設置・組み立て費・送料別
(画像出典:神戸メディケアHP)
先ほどCMを紹介した神戸メディケアの高温サウナです。最高温度120℃となかなかの熱さです。「昔ながらの熱~いサウナ」というキャッチコピーがぐっときます。石のこともしっかり書いてあるのが本格的です。ポイントもいろいろです。
(画像出典:神戸メディケアHP)
いろいろなところにこだわった本格的なサウナ室です。別途設置と組み立ての費用がかかるようです。
・神戸メディケア ナチュラルコンパクト
【お値段】
メーカー:588,000円(税込)
楽天市場:298,000円 +送料21,000円
(画像出典:神戸メディケアHP)
神戸メディケアには遠赤外線サウナもありました。こちらは価格もぐんと下がり、工事も不要で組み立てられるそうです。組み立て方も書いてありました。
(画像出典:神戸メディケアHP)
本体価格も先ほどのものより安く、工事費用もかからないので手ごろですね。ストーンじゃなくても温まれば良い、という場合はお手頃で良いかもしれません。
神戸メディケアではこの2種類以外にもいろいろな家庭用サウナを取り扱っています。こちらから一覧も見られます。
・METOS Mollis(モリス)
【お値段】
3人用:1,850,000円
4~5人用:2,300,000円
(画像出典:METOS HP)
METOSも家庭用サウナを取り扱っています。こちらはヒーターがベンチ下に格納されているタイプです。小物類は撮影用に置いてある別売りの商品です。
・METOS CLIMA(クリマ)
1人用:1,350,000円
2人用:1,500,000円
(画像出典:METOS HP)
METOSの家庭用サウナ、もう1つのCLIMAはロウリュができる本格サウナ室です。こちらの小物類は別売りです。
設置の仕方や木材などにも選択肢があり、いろいろ自分の好みにできそうです。
何人用なのか、サイズによって値段が変わってきます。
(画像出典:METOS HP)
プライベートサウナやサウナアイテムの価格表全体はこちらから見られます。
プライベートサウナのカタログはこちらから見られます。
・あつあつ君
【お値段】
楽天市場:418,000円 (税込)
気になる名前の家庭用サウナ、こちらはストーンを使う「家庭用フィンランド式サウナ」ですが、なんと工事不要だそうです。
本格フィンランド・サウナ(木の香り)
場所を取らないスリムボディ!(冷蔵庫サイズ)
工事不用-アパート・マンションもOK!(簡単組立て式)
電気代は1時間19円程度!(圧倒的な省電力サウナ)お好みに応じて温度調整自由!(60℃~120℃)*4
宣伝文句もなかなか魅力的です。ストーンを使うサウナにしては値段も手頃ですね。
・サニーペットのホームサウナ
1970年代のCMを紹介したサニーペットではどんな家庭用サウナを売っているのだろうと思って調べてみたところ、いろいろな種類の家庭用サウナを作っていました。
中でも気になったのは「子供専用ホームサウナサニーチルドレン」です。
【お値段】
485,000円(送料・組み立て費込み)
(画像出典:サニーペットHP)
子供部屋にサウナ、さすがサニーペットの家庭用サウナは多様です。
(画像出典:サニーペットHP)
・ポータブルスチームサウナ
【お値段】
楽天市場:26,430円 (税込)
1970年代にも話題になった折りたたみ式のサウナは今でも健在です。やはり圧倒的に低価格で入手できます。スペースのことを考えても、やはり折りたたみ式は導入が簡単そうですね。
今回は家庭用サウナについてまとめてみました。家庭用でも本格的なものもあり、カタログを眺めるだけでも楽しいです。
参考資料
「『茶の間でサウナ』がモテモテですって」、朝日新聞、朝刊、1978年6月13日、広告欄
「サウナの安全性 不十分な温度管理 長時間使用は危険な家庭用小型」、読売新聞、朝刊、1974年9月26日