Saunology -Studies on Sauna

Saunology -Studies on Sauna-

サウナについて調べ、考え、まとめるブログ。知れば知るほど、サウナにはまだまだ謎がある。その謎を解き明かしていくために、サウナについて様々な角度から考察してサウナ理解を深めます。身体で感じるだけでなく、頭で仕組みを考えるとサウナはもっと楽しい。サウナ好きがサウナをもっと知りもっと楽しむために始めたサウナ考察ブログ。 お問合せは下記までどうぞ。 saunology37@gmail.com

海外のサウナ注意書き

 「海外のサウナの入り方」では、サウナの入り方やポイントをビジュアルで説明している海外の例を紹介しました。今回は、海外のサウナの注意書きを紹介します。

 

海外のサウナ注意書き

 サウナ用の注意書きは販売もされています。これはSuperior Sauna & Steamというサイトで販売されている注意書きです。$9.95です。

サウナ 注意書き

(画像出典:Superior Sauna & Steam 

 火事のリスクを減らすために。

ヒーターの上に可燃物を置かないでください。*1

 

 同様の内容でもっとシンプルなものも販売されています。

サウナ 注意書き

(画像出典:Superior Sauna & Steam

 イラスト付きで木製の方が素敵ですが、こちらの方が$14.95と若干高めです。

 

 最初のものと同じようなデザインで、もう少し詳しい注意書きも売られています。 $12.95です。

サウナ 注意書き

(画像出典:Superior Sauna & Steam)

1.目眩や眠気など、体調が悪くなったらすぐに退室しましょう。長時間、温められたところにいると、オーバーヒートする可能性があります。

2.子どもから目を離さないでください。

3.妊娠している方、病弱の方、薬を服用している方は医師に相談してから利用してください。

4.アルコール、ドラッグ、薬などと吸い込んだ熱い空気が混ざると意識不明の状態を引き起こすことがあります。*2

 注意点は日本のサウナ室と大体同じですね。海外では子どももサウナを楽しめる、というような話もありますが、やはり子どもからは目を離さないようにと注意書きはあります。 

 

 これはミネソタ州キャロウェイのメープルラグリゾートのサウナの注意書きです。

サウナ 注意書き

(画像出典:POV

1.水は1/2の量だけ使用してください。水が多すぎるとストーンが冷めてしまい、温度が下がります。蒸気が発生しなくなります。

2.出る時には水を補充してください。

3.ドアは全てしっかり閉めてください!

4.ストーブを熱しすぎないでください。火事の危険があり、ストーブが壊れます。温度は約180Fくらいであるべきです。

5.出る時はストーブに薪を足してください。

6.最後に、水をかけすぎないように、燃やしすぎないように気を付けてください。

では楽しんで!ありがとうございます。*3

 水をかけすぎないこと、ヒーターを温めすぎないことなど丁寧に書かれています。

 

 これはフィンランドのARCTIC SAUNAのサイトにあるサウナでやるべきこととやってはだめなことです。 

サウナ 注意書き

(画像出典:Arctic Sauna) 

 ますはやるべきことを見てみましょう。

やるべきこと

・静かにする

 公共のサウナは、静寂とリラックスの場です。もし友達と会話が続いている場合は、できる限り小さな声で話しましょう。

 

・出入りはすばやく

ドアが開いていると蒸気は逃げてしまいます。出入りする時にはできる限りすばやくドアを閉めましょう。

 

・自分のタオルを持ってくる

フィンランド人は通常裸でサウナに行きますので、サウナ室を出たらタオルを1枚乾かし、その間別のタオルを敷いて座るなどしましょう。

 

・行動

公共の場です。サウナ室に、他の人に敬意を持って行動しましょう。じろじろ見ないこと。

 

・必ずシャワーを先に

 シャワーは体臭、バクテリア、汗を洗い流します。サウナ室にはきれいな状態で。

 

・楽しむ

あなたは心配事を洗い流し、美味しい冷たい飲み物を飲んで、入浴を楽しむ場にいます。

 

 続いてやってはいけないことです。

やってはいけないこと

・唾を吐く

サウナストーンに唾を吐きかけて石の音を聴くのは楽しいでしょうが、サウナ室のエチケットがなっていないし、最低の行為です。ストーンには水だけをかけるようにしましょう。

 

・電子機器を持ち込む

熱と蒸気は電子機器によくないですし、あなたがチャットをしたり文字を打ったりゲームをしたりすれば、他のサウナ利用者に迷惑です。

 

・運動する

サウナは座ってリラックスする場所です。運動してうなり声・うめき声をあげる場所ではありません。サウナ室の中では運動しないでください。

 

・リラックスしすぎる

うめき声、ため息などは周りの人を怒らせます。もちろん、リラックスするのはとても良いことですが、静寂を愛するフィンランド人に敬意を払う必要があります。

 

・クールダウンしない

フィンランドの伝統的なサウナ後のクールダウンの方法は、湖(夏でも冬でも)または雪に飛び込むことです。もちろん、裸で。裸に抵抗があれば、観光客であれば水着の着用が許されます。

  サウナ室では静かにしましょう、というのはどこでも同じですね。リラックスしすぎない、というのも重要な指摘です。特に女性サウナ室では混んでいても横になっていたり、「ふー」とか「はー」とか声が気になる人もいます。リラックスするのは大事ですが、あくまで公共の場であるというのは当たり前だと思ってしまいますが、明記するのは大事ですね。

 また、サウナ室に入る前にシャワーを浴びる、ということも書かれています。日本で言うと水風呂に入る前に汗を流しましょう、というやつですね。タオルを複数持っていくことなど、衛生面に関する注意書きも細かいです。ストーンに水以外をかけてはいけないという点も書かれています。観光客の場合は水着の着用もOKという配慮があるのもおもしろいです。いろいろな文化があるので、その辺りは柔軟に対応できると多くの人が楽しめますね。

 

 こちらは入り方と注意書きが混ざったようなタイプです。

サウナ 注意書き

(画像出典:Finlandia Sauna

サウナ室をあたためましょう(平均温度は160~185Fです)。服を脱ぎ、アクセサリーをはずします。公共のサウナでは、サウナ室に入る前にシャワーを浴びましょう。

 

サウナのベンチに座るか横になるかして、リラックスして、乾いた熱に慣れましょう。(衛生のためにベンチクロスやタオルを敷くことをお勧めします。)

 

発汗を促し、快適な空間にするために約5分経過したら、柄杓1~2杯の清潔な水を熱いストーンにかけます。サウナ利用者とヒーターに害があるので、薬品を含むスパの水やプールの水はかけないでください。

 

10分ほど経過したら、シャワーを浴びて脱衣所でリラックスしましょう。サウナ室にいた時間と同じ時間、クールダウンに使いましょう。更に10分経ったら、サウナ室に戻ります。そして、これを繰り返します。温かいシャワーと石鹸で洗います。冷えないように、しっかり乾かしてから外に出ます。

 

Finlandia Saunaはサウナを楽しんでもらいたいです。リラックスするための時間をたっぷりとってください。

サウナ室ではタバコは吸わない、アルコールを飲まない、運動をしない。

 

警告:身体に害があるので、1回30分以上サウナ室にいないように。病気がある人はサウナを利用する前に医者に相談をしましょう。

  水以外のものをかけない、という点はここでも書かれています。スパやプールの水をかけるとヒーターにも人にも害があると明記されています。

 こちらもサウナ室に入る前にはシャワーを浴びること、布を敷くことなど、衛生面についても触れられています。

 

 最後に、こちらはジョークっぽいサウナ注意書きです。

サウナ 注意書き

(画像出典:touch o finland 

1.自己責任で、一番上のベンチに座ってください。

2.この点を覚えておいてください。多すぎる蒸気は目眩をおこさせます。転倒して骨折することもあります。

3.汗が目に入ってしまったら、単純に、数回まばたきをしてください。

4.背中にベンチのささくれが刺さっても大声で叫ばないでください。ご近所さんは、あなたが豚をしめていると思って、翌日のポークチョップを思って「ヘッドチーズはいつできますか?」と聞きにきてしまいます。

5.使い終わったら(もしくは石鹸で滑ったら)石鹸を石鹸ケースに戻します。サウナのベンチに置きっぱなしで溶かさないでください。

6.十分に熱くなったら、湖に飛び込みましょう!*4

 ちなみにヘッドチーズはフランス語ではフロマージュ・ド・テート、豚の頭を原料にした煮こごりのような料理です。

サウナ ヘッドチーズ

(画像出典:Wikipedia

 こういうユーモアのある注意書きも良いですね。マナーはもちろん大事ですが、どのような方法でルールを利用者に伝えるか、その工夫も大事だと言えるでしょう。

 

サウナの注意書きと利用者教育

 ここまで海外のサウナの注意書きを紹介しました。商品として売られているものもいくつかあり、商品の説明としてサウナ利用者への教育の重要性も指摘されていました。

 例えば最初の画像の商品の説明には"Proper warning/caution safety signage helps educate all sauna users of safe sauna practices and precautions."*5(適切な警告・注意喚起の掲示は全てのサウナ利用者に安全なサウナの使い方と予防策を教育するのに役立ちます)と書かれています。また、"Safety signs are required by law for most commercial saunas and are recommended for residential saunas."*6(安全のための表記はほとんどの商用サウナに法律で設置が義務付けられており、家庭用サウナにも設置が推奨されています)とも書かれています。

 4つ目の画像、メープルラグリゾートの注意書きを紹介しているサイトにも"Sauna etiquette sometimes requires explanation"*7(サウナのエチケットは時に説明が必要です)と書かれています。

 また、5つ目のARCTIC SAUNAの注意書きは英語で書かれており、「フィンランド人は」という言い方などから、観光客や海外から来たサウナに慣れていない人向けの注意書きのようにも見えます。日本の銭湯にも英語や中国語も書かれた注意書きがよく掲示されています。

サウナ 銭湯 注意書き

(画像出典:辰巳湯HP

 サウナに関しても、サウナ室の横にも一般的な注意点に関して注意書きが掲示してあったり、それに加えてその店独自の掲示があったりします。アウトドアサウナの場合にも、提供する側はどういう風にサウナを利用してほしいか、何はしてほしくないか、掲示や配布をすることも大事かもしれません。それぞれのマナーの認識、意識に任せていると常連の思うルール、サウナ好きの思うルールができてしまう可能性もあります。日本よりもサウナが身近で多くの人がサウナ経験のあるフィンランドでも、利用者向けの注意書きは充実しています。海外の人に向けてということかもしれませんが、マナーについての認識や考え方は必ずしも同じではなく、利用者同士でもめごとになることも考えられるので、提供する側がこれはやってよい、これはやってはいけない、と明記し、利用者教育をしていくことが重要だと言えるでしょう。

 

 今回は、海外のサウナ注意書きを紹介しました。暗黙のルール、公共の場として当然と考えられるマナー、ということを個人の判断に任せるのではなく、掲示して教育していくことが大事だと言えるでしょう。大事なのはマナーというより、提供する側が定めるルールです。

 

参考資料

Atrantic Sauna, SAUNA ETIQUETTE - DO'S AND DONT'S.

Finlandia Sauna.

POV, The Opposite of Cold: The Northwoods Finnish Sauna Tradition.

Superior Sauna & Steam.

touc of finland.

 

*1:Superior Sauna & Spa

*2:Superior Sauna & steam

*3:POV

*4:touch on finland

*5:Superior Sauna & Spa

*6:同上

*7:POV